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にわかが道をやってくる

競馬のこととか、競馬以外のこととか。



あのたまらん兄さんと呼ばれた山本圭壱はもういない

まず率直に。自分は極楽とんぼ山本が結構好きだった。
単なる一般人でしかない自分であっても、ネット上でこのように明記するのにほんの少しばかり勇気を要する異常な世の中ではあるが、自分にとっては面白いと思える芸人さんだったのでしょうがない。

とはいえ、彼らのテレビにおけるプラットフォームともいえるめちゃイケは、そんなに熱心に観てはいなかった。
あの番組は昔も今も自分の中では、家にいて暇な時ならまあまあ優先的にチャンネルを合わせ、当たりっぽい企画ならそのまま見続けるといった位置付けの番組だ。
では、どうして極楽とんぼ山本が面白いという評価にいたるのか。
武闘派、と聞けばピンとくる方も多いのではないだろうか。

ラジオ番組「極楽とんぼの吠え魂」において、山本圭壱は低俗なキャラクター性をいかんなく発揮していた。その欲望の権化ともいえるゲスな男を加藤浩次が手のひらで転がし、いいように操る関係性こそが、あの番組の笑いの源だった。リスナーにとって山本は愛すべきクソ野郎だったのだ。

女性がらみの企画では、若くて可愛い女の子への欲望を隠そうともしない山本の意に沿わない展開が用意されており、痛快な笑いが生み出された。
加藤に乗せられ、たまらん兄さんとなって、映画のパンフレットを自腹で購入してリスナープレゼントにするくだりには何度笑わされたことか。
坂上二郎のモノマネで「イヒヒヒヒ」と下卑た笑い声をあげるたびに、こっちもツボに入って声を出して笑っていた。
もう10年以上前の、楽しかった日々。

 

 

10年前の事件については、特に主張するところはない。というか、よくわからない。
酔わせて強姦したと主張する人もいれば、タチの悪い美人局にひっかかったという説もよく目にする。こんな当事者間でも食い違いが生じがちな問題について、その場で見てたかのようにコメントしてレッテル貼る人はなんなのだろう。
勿論、結果として不起訴処分になっているとはいえ、氏が未成年との飲酒・淫行に及んだことは事実として発表されているので、それを以て彼を批判することを否定するつもりは毛頭ない。

その後の解雇、長期にわたる謹慎についても、やれ吉本の上層部に元々煙たがられていたとか、萩本欽一の許しが出ないとか、被害者女性のバックがヤバイとか、単に需要がないだけだとか、様々な勘繰りが飛び交っている。
真相が分かろうが分からなかろうが、我々は一人の芸人がテレビやラジオから姿を消したことを事実として受け入れることしかできない。

そして、自分としては、彼の復帰はあまり望んではいなかった。
だって、復帰したところで、もうかつての欲望の権化のようなたまらん兄さんはいないだろうから。
殊勝に反省し、懸命に頑張る山さんの姿など見たくもないと思っていた。

んで、昨日のめちゃイケ。
できるだけ明るく振舞おうとする山本を、岡村が反省させる方向に持っていくくだりは正直しんどかった。
個人的には、芸人として明るく笑顔でと心がける山本の考えの方に共感していたし、テレビカメラの前で神妙な反省や謝罪を求める方に違和感を覚えた。

しかし、リングの上での加藤との対面、極楽とんぼの名前を捨てず、一人で頑張ってきた男の絶叫を聞き、ああ、これは避けては通れないことなんだなと納得した。
今の世の中、見えないところできちんとケジメをつけて、表向きはスッと戻ってくるということは通じないのだろう。
みんなが事件を重く真摯に受け止め、熟慮の末に本気で行動し、全力でぶつかり合ってるということを世間に見せつけないと納得してもらえないということなのだろう。
そのためにはカメラの前でマジな姿をさらす必要があったのだろう。

あれだけの姿を晒しても、あんなのはどうせ台本だと言う人もいる。まあ実際、加藤がリングに立って喋ることは決まっていたのだろうし、前もって言うことは練っていたのだとは思う。
まあ、自分も元々極楽とんぼに何一つ興味のない人間であったら、冷めた目で見ていたのかもしれないが、幸か不幸かそうではないので、加藤の言葉にはやはり熱いものを感じた。
また、熱くなりながらも感心したのは淳が涙ながらに言った「支えすぎたかもしれない」。あそこであんな誰もが納得できる言葉が出てくるのは、物凄いバランス感覚だなと思う。あれはちょっと前もって放送作家が用意できるレベルの台詞ではないと思う。

最後には、往年のケンカで締めくくり、山さんも「ハッピーバースデー」「48歳だぞ!」と、未だ衰えていない片鱗を見せてくれた。
単純に笑えたし、涙涙で終わらせなかったのは素晴らしい。後藤にあのメイクを施した優秀な人は誰なのだろう。

秋にやるという極楽とんぼライブを橋頭堡に、今後徐々に露出もしてくるのだろう。
昨日の番組を見る限り、状況さえ用意されれば芸人としてまだ全然やれるところも見せてくれた。
それでも、あの突き抜けたキャラクター性、欲望の塊だったたまらん兄さんはもう戻ってこないであろう。

一抹の寂しさを感じつつも、彼の変化した様子はそれなりに楽しめるのかもしれないなと。
そんな中、たまに隠し切れずにゲスさが垣間見えたりしようものなら、感動すらしてしまうかもしれない。

とりあえずは単発でも良いので、吠え魂復活を希望します。

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復活決定! 200日かかったか……(2017.2.16追記)

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