にわかが道をやってくる

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2020 菊花賞 感想戦

後に伝説の三週間と語られることになるかもしれないその第二週目にして、クラシック三冠最終戦。この日が近づいてくるにつれ、そして当日を迎え、単なる馬券オヤジである自分にもまとわりついてくる不思議な緊張感と高揚感。
もし早くからこの世界の素晴らしさに気がついていれば、ディープやオルフェはおろか、ブライアンの時からこの感覚を味わえたんだよなぁとか、グリチャで流れる過去のVTRを眺めるにつれそんな気持ちもよぎったり。

色々な思いを込めて、ファンファーレを聞き、人馬はゲートに入り、そして発走。

◆菊花賞

◎③コントレイル
◯⑥ヴェルトライゼンデ
▲②ガロアクリーク
△⑪バビット
△⑬ロバートソンキー

【買い目】
3連複 ②③⑥⑪⑬

基本はコントレイルからのながし。タテ目の組合せは100円ずつだけ抑えてのシンプルな勝負。

 


【着順】
③コントレイル ◎
⑨アリストテレス
⑩サトノフラッグ
⑧ディープボンド
⑮ブラックホール

キメラヴェリテが思いきった逃げに打って出て、バビットはハナを争うことなく番手につき、ペースは5ハロン1:02.2、10ハロンでは2:04.8とかなりゆったりめ。

抜群のスタートをきったコントレイルは中団に落ち着き、ルメール騎乗のアリストテレスがぴったりマークにつく。自分の想定ではそれをやると踏んでいたヴェルトライゼンデはそのちょっと後ろ。
なお当方が頭を抱えたのは、買い目の肝ともいえるガロアクリークが積極策に出てしまったこと。これまでの実績や血統的に長い距離が不安なことから後ろの方に控えると踏んでいたのだが……

向正面までほとんど出入りはなく、3コーナーの坂の下りで後続が前に襲いかかる。
道中掛かり気味だったらしいコントレイルだがさすがに良い手応えで進出。そして相変わらずピタリとくっついて一緒に出てくるアリストテレス。
直線で大本命が抜け出し、そのままぶっちぎる光景を多くの人が思い浮かべただろうが、くっついてきたアリストテレスが全く後退せず、それどころか差してしまうんじゃないかという脚色で迫る。

この時点で既に己の馬券は一円も払戻されぬと悟った当方は馬券師ではなくなり、コントレイルの、そして福永祐一の偉業を望む単なるファンへとすぐさま変化。思わず応援の声と悲鳴のような絶叫を上げる。
おそらく声出しを控えるよう注意喚起されている淀のスタンドからも同じような声。

それの後押しがあったわけでもあるまいが、コントレイルが根性のもうひと伸びを見せ、クビ差で先にゴール入線。
父親のような格の違いを見せる大楽勝とはいかなかったが、素晴らしい名馬の一頭として名を連ねたことは間違いない。むしろ見ようによっては適性外のこの舞台で苦しいレースを勝ちきったことはより評価すべきことなのかもしれない。

敗れたアリストテレスもルメールの絶対負かしてやるという騎乗に応えて力を出しきったグッドルーザーとして讃えたい。
小牧特別ほど楽な相手でも展開でもないだろう、ルメールで人気するなら喜んで切るべきと見ていた己はバッドルーザー。

3馬身ほど離れた3着争いを制したのはサトノフラッグ。ちょいちょい脆いところを見せるこの馬に、初輸送の淀3000は過酷なのではと切ってしまっていたが、重賞勝ちのあるトライアル2着馬への敬意が足りなかった。つくづくバッドなわたくし。

なおこちらの買い目は、距離延長歓迎と見られていたヴェルトライゼンデは存外伸びず、ガロアクリークもやはり持ちこたえることはできなかった(後ろからいってても伸びたかどうかわからないが)。


というわけで馬券はまるでダメだったが、素晴らしい瞬間を画面越しとはいえ目撃できた喜びがいくばくかの金銭的損失を十二分に補ってくれる。

確かにディープやオルフェはスルーしてきてしまった。実にもったいなかった。
でも今日という日に間に合ったことは幸せだなぁと。あの恍惚の三分間余りは自分の中にしっかり刻みつけられたわけで。

さあ来週は久々にあの場所へと。