にわかが道をやってくる

競馬のこととか、競馬以外のこととか。



三遊亭円楽・伊集院光 二人会(夜の部) 感想

ほぼぴったり一ヶ月前のこと。
時間有休くださいと懇願した結果、別に役に立つわけでなし一日休んで構わんぞと言われた或る平日、10時ジャストに開始して10時1分には終わっていた争奪戦を制し、めでたくゲットしたプラチナチケット。

それで運を使い果たしたか、GⅠシーズンは散々なものになってしまったが、それも全てはこの日、この場所へとやってくるため。

f:id:bakenbaka:20210613223921j:plain
f:id:bakenbaka:20210613223924j:plain

参戦したのは夜の部。昼夜両方ゲットできればとも目論んでいたがさすがに無理だった。ナイツも見たかったなぁ。

有楽町の吉野家でシーメ入れて(ついでにエプソムC外したことを知り)、開場の10分ほど前に到着したところ、既に物販に長蛇の列。セルフもぎりを済ませ、自分もいそいそと並ぶ。

f:id:bakenbaka:20210613223943j:plain

落語には付きものといえる手ぬぐいが自分の番が来る少し前に完売。吉牛食ってたのが悪手だったか。
しゃあないんで扇子を3本(消耗品なので)と、冊子とハンドタオルと手さげ袋を1ずつ買って、シメて14,000円也。いいお値段ではあるが、まあこういうものはご祝儀的な要素もあるし(あるよね?)、どう考えても物販で少しでも回収しなけりゃならん興行と思われるので、まあ喜んでお金を落としましょうと。

二階席の最前列真ん中近くという良席につき、お二人の対談なぞ読みながら開演を待つ。
f:id:bakenbaka:20210613224029j:plain

余談だが、長時間の観劇をする際は椅子の塩梅が非常に気になる尻弱なわたくし。
事前にTwitterなぞで『よみうりホール 椅子』で検索したところ、硬くてあまり良くないという情報が散見され、覚悟をしていたのだが、硬さは別に大丈夫だった。
ただ、会場内のどこの動きと連動しているのかわからないが、自分の席はしばしば地震のように揺れることがあり、特に最初のうちは結構気になった。
そんなんにも慣れてきた頃、開演の時間。

 


●オープニングトーク
円楽・伊集院が登場し、ご挨拶がてらの軽いトークで場をあっためる。やはりこの組合せだと面白いこと言う係は円楽となり、伊集院はツッコミ役にまわる場面が多い。
『次』に向けての話が早速出てきて、場内は割れんばかりの拍手。

●三遊亭楽大『牛ほめ』
昨年真打に昇進し、師匠となった方でもこの舞台は特殊だったか、多分力を発揮はできてなかったんじゃなかろうかと。
少しずつ客席が冷えていったのは、板の上にもひしひしと伝わっているはず。その心情は如何ばかりなのだろうか。

●三遊亭円楽『いたりきたり』
枕の笑点ネタや病院ネタで存分に笑わされ、本編もなかなか飛んでる話で面白かった。(不勉強ながら初めて聴く話だった)
思えば円楽師匠を生で観たのは二回目で、前回は丁度10年前の東日本大震災のチャリティー落語会でのこと。
あの折は出番が渋谷公会堂が揺れるほど沸かせまくった喬太郎の次だったのだが、当時まだ亡くなってそんなに経っていなかった先代の圓楽の思い出話でしんみりと笑わせ、すっかり空気を一変させた技に上手いなあと感心した記憶がある。
今回、確実に老いは感じたものの、枯れてきたことによる味わいだろうか、更に熟練され、更に面白かった。噺家さんというのは60過ぎてなお進化するもんなんだなぁと感銘。

<仲入り>

●爆笑問題 漫才
今日の主役二人を軽くイジり、テレビより遥かに過激な時事漫才。笑いの数と大きさは文句なしで今日イチ。
テレビサイズの漫才では明らかに彼らを上回っているナイツの塙が、尊敬を公言する理由がよくわかった。彼らは漫才を生で見てこその芸人なんだなぁと。
「ワクチン1日100万回を目標にしてるそうですね」
「1人に100万回ね」
「そんなわけねえだろ!」
とか、
「ガッキーがスターになるきっかけと言えばポッキーのCMね」
「私はあれを見たとき、絶対に売れると確信しましたね」
「まあ既に人気はあったんですけどね」
「何しろ持つところにはチョコがついてなくて……」
「ポッキーの方かよ!」
などといった、文字に起こしたらさして面白くないボケで大爆笑させてしまう。これもまた凄い技術。

●伊集院光『死神』
適度なくすぐりでしっかり笑わされ、後半はグッと引き込まれる、子どもの頃に母親が亡くなったことを絡めるあたりの工夫にも唸らされ、十分に満足な一席。何よりかれこれ30年近くラジオで親しんできた伊集院光が本寸法の落語を熱演することに、思わず泣きそうになるほど感動。
その一方で、客前にかけていくことで、もっともっと良くなるだろうなぁとも確信。
ラジオの帝王などと呼ばれる、当代最強クラスの話術の持ち主でさえ、しばしば台詞が走っちゃったり力んじゃったりするあたり、落語というのは奥が深く難しいもんなんだなぁと。
おそらく、今日の客だけを楽しませるには滑稽話や軽めの人情噺の方がやりやすかったであろうところ、こんな大ネタに挑戦するあたり、意識してるかどうかは別として、伊集院さんの中に噺家として続けていきたいという気持ちがあるんじゃなかろうかと。
……などと思ってしまうのは、単にこちらの勝手な願望だろうか。


終演は20時丁度。
夢のような2時間半はあっという間に過ぎ去ったが、夢の続きに期待しても良いのかな、と……


追記メモ:
・生の象徴はカツ丼食うこと
・伊集院はもちろん、円楽からも太田からも神田伯山の名前が出なかったのが少々以外だった